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ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の研究

-ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を歴史、奏者、奏法より探る。

ウィーン・フィルハーモニーのような国立歌劇場から生まれたオーケストラは、まことにデリケートなフレーズの「歌い方」ができるのだ。野村 三郎

最終更新 2009年9月22日

2007年7月2日現在のメンバー

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名演奏は、一流の楽団と観客によって生み出されたものである。(2006年日本公演のポスターから。指揮者:アーノンクール)

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、偉大な作曲家、W.A.モーツァルトを生んだ国オーストリアのウィーンで活動している世界でも最も有名なオーケストラの一つである。彼らは、国立歌劇場のオケピットに年間三百回も入るという。そして、毎年新年になるとウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが開かれる。世界一のオーケストラと云われるウィーン・フィルはどのようにして他の楽団とは異なったハーモニーを奏でているのか?メンバーと楽器、歴史から探る。

 
ウィーン国立歌劇場


1、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の成立

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)の前身は、19世紀初頭オーストリア宮廷のケルントナートーア劇場専属の「宮廷歌劇場管弦楽団」でありオペラ専属のオーケストラであった。本格的な創立の構想は、1841年の冬、ウィーン中央部に近いジンガー・ガッセにある酒場”ツム・アモール”で生まれた。話に加ったのは、ニコラス・レーナウ、音楽家、カール・ホルツ、リーダーは宮廷学長で指揮者のドイツ人のオットー・ニコライ(1810〜1849)。『聴け!聴け!音楽家が惰眠を貪ったり、寝室でヴァイオリンを弾いている時代は終わった。アポロの息子たちは力をあわせて大いなる事業に取り掛かるのだ!これこそ前代未聞の出来事なのだ!目覚めよ!』それに触発され、”フィルハーモニック・アカデミー”と証した団体が誕生する。この組織は全てのメンバーは民主的な投票によって決定される。そして、運営規約として、楽団運営に財政的な基盤を与えた。オーケストラのメンバーは、国家公務員(当時)としてウィーン国立歌劇場に奉職すると同時に、まったく独立した「ウィーン・フィルハーモニー協会」として、演奏会を主催している。この原則は現在まで引き継がれている。
 最初のコンサートは1842年3月28日の午後1:30より始まった。1847年、ニコライが離れると1860年頃まであまり活発に活動していなかった。Carl Eckertが常任指揮者となると、定期演奏会を開くようになった。

国立歌劇場 (Wien Staatoper)は、1869年に完成。こけら落しはモーツァルトの『ドン・ジョバンニ』現在の音楽監督は、小澤征爾、2010年からの音楽監督は、ドミニク・メイエール氏(Dominique Meyer)

2、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団について

・オーケストラは、かなり有名なそして賞賛される指揮者を引き受けた。1875年から1882年までハンス・リヒターがポストに付いた。1933年から常任指揮者を置いていない。あくまで民主主義を主とする運営と謳われているが、裏を返せば、指揮者に頼らず自らで音楽的な解決をしていく自信の現れともいえる。客演指揮者には、フルトヴェングラー、E.クライバー、クレンペラー、クナイパーツブッシュ、クラウス、ミトロプーロス、オーマンディ、シュリヒト、セル、ワルターなど20世紀のオーケストラの伝統を築いた巨匠たちを初め、ショルティ、アバド、C.クライバー、メータ、小澤征爾などの名指揮者が指揮台に立っている。特に、ベーム、カラヤンには名誉指揮者、L.バーンスタインには名誉会員の称号を授与し、厚い信頼関係を結んだ。又、1941年の元日からシュトラウス家族の中でも特にヨハン・シュトラウス2世の音楽を基調としたコンサートを行っている。これが有名な、”ウィーン・フィルハーモニー・ニューイヤーコンサート”である。

・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団はウィーン国立歌劇場に所属しながら、ウィーン・フィルハーモニー協会として自主運営を行っている。現在、本拠地ウィーンの楽友協会(ムジークフェライン)大ホールでの定期演奏会のほか、ニューイヤーコンサート、ザルツブルグ音楽祭(1920年以来)への出演を中心に活動している。日本には、1956年P.ヒンデミットの指揮で初来日して以来、カラヤン、ショルティ、ベーム、マゼール、アバド、メータ、ムーティ、小澤征爾、ラトル、ティレーマン、ゲルギエフ、アーノンクールなどの名指揮者とツアーを行っている。2006年の来日で初来日から50周年を迎えた。

・楽団員は国立歌劇場の管弦楽団の楽団員を兼任し、コンサート活動で”ウィーン・フィル”と名乗る。ホルンを初め、国立歌劇場常備の古いタイプの楽器が多数用いられ、音質・奏法ともに統一されたウィーン色の濃い演奏で知られる。オーケストラのメンバーはウィーン国立歌劇場のオーケストラから選ばれる。1997年まで女性の入団を禁じたので、批判を受けたが若干の人びとが同じく高い演奏の基準を保持するためにオーケストラ(即ち、ヨーロッパ人)について民族的な一様性を維持することが重要である。と反論した。2006年現在は、ルーマニア人や日本人とオーストリア人ハーフの演奏者が楽団員である。女性奏者がちらほら見られる。隔週刊の『ウィーン・フィル世界の名曲』(アスキー出版社)によると、原則があり、

・ウィーン音楽院出身の演奏家しか採用しない(ウィーン・フィルの奏法を受け継ぐ観点から)

・女性演奏家は採用しない

・使用する楽器は、オーストリア製のものを貸与する(特に弦楽器)

・現在のメンバーによる直接の指導を受けた演奏家のみを採用する…

とあり、音にも人にもこだわったオーケストラなのである。ウィーン・フィルハーモニーのアンサンブルは常に一糸乱れぬ規律正しさを持っており、ベルリン・フィルは男性的と云おうか、ウィーン・フィルは完全無欠と云おうか…ピアニッシモでも会場の隅々まで伝わり緊張感に溢れる。(野村)

 元楽団長のオットー・シュトラッサーは「他のオーケストラにほとんど類を見ないのだが、私たち(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)は同じオーストリア人に由来し、完全に同質のアンサンブルとして教育を受けてきた。ほとんど全員オーストリア人であること、私たちの教師はもっぱら、国立音楽アカデミー(現在は、ウィーン国立音楽大学)における現職のフィルハーモニーの人たちである。この事実によって、教養や演奏の同質化が生まれ、現在まで維持されている。と本に記している。

3、ウィーン国立歌劇場の運営

 ウィーン国立歌劇場はドイツ語圏の他の劇場と同様レパートリー・システムで運営されている。これは毎晩演目が変わる上演方式で、これに対してスカラ座等、イタリアの劇場は一定期間一つの演目に限って上演していて、スタジオーネ・システムと呼ばれる。ウィーンのオペラ・シーズンは9月1日にスタートし、翌年6月30日に終了するまで、およそ300回の公演を行う。ウィーン国立歌劇場で、最も舞台を見やすく、音も良い場所は、平土間席のうしろ中央あたりだが、ここの料金は約200円。プレミエでも同じ。ただし、立見席であるので座る訳には行かない。此のチケットは、当日早い時間から並ばないと手に入らない。

Musiker

4、演奏者(斜体は国立歌劇場管弦楽団のみ属している団員)

コンサートマスター(Konzertmeister

・コンサート・マスターはオーケストラの顔である。大抵はヴァイオリン奏者が成る。ヴァイオリンとは弦を弓で摩擦することによって刺激される。弓奏楽器は、即ちヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスで構成される。ヴァイオリンの4本の開放弦は、G3,D4,A4,E5に調弦される。コンサートマスターは、オーケストラの司令塔で常にメンバーと音楽に目を配っていなければならない。
ソロでヴァイオリンを演奏することも多く、マーラー「交響曲第4番」一楽章や、R.シュトラウスの交響詩『シェーラザード』『英雄の生涯』、ブラームスの交響曲第1番の第2楽章、ラヴェルの『スペイン奇想曲』ではソリ(Soli)を、R・シュトラウスの『ばらの騎士』で難易度の高い美しいソロを聞かせる。

歴代のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスター(濃い水色は現役のコンサートマスター))

演奏者 (邦名) 演奏者 (英名) 生年月日
ゲオルク・ヘルメスベルガー Georg Hellmesberger 1800-1873
ヨーゼフ・ヘルメスベルガー Joseph Hellmesberger 1828-1893
ヨーゼフ・ヘルメスベルガー ジュニア Joseph Hellmesberger jun. 1855-1907
ヨーゼフ・ベーム Joseph Böhm 1795-1873
ヤコブ・グリュン Jakob Grün 1795-1873
フランツ・マイレッカー Franz Mairecker 1879-1950
ウィリー・ボスコフスキー Willy Boskovsky 1909-1991
ワルター・バリリ Walter Barylli 1921-
フランツ・サモヒル Franz Samohyl 1921-1999
ウェルナー・ヒンク Werner Hink 1943-
ライナー・キュッヒル Rauner Küchl 1950-
ギュンター・ピヒラー Günter Pichler 1940-
アルノルト・ロゼ Arnold Rosè 1863-1945
ヴォルフガング・シュナイダーハン Wolfgang Schneiderhan 1915-2002
ゲルハルト・ヘッツェル Gerhard Hezel 1940-1992
ワルター・ヴェラー Walter Weller 1939-
ライナー・ホーネック Rainer Honeck 1961-
フォルクハルト・シュトイデ Volkhard Steude 1971-

ライナー・キュッヒルRainer Küchl(写真引用:リサイタルパンフレットより)
 1950年、オーストリア生まれ。11歳よりヴァイオリンを始める。1971年よりコンサートマスター。1964年から1970年までウィーンミュージックアカデミーでサモイル教授に学ぶ。1982年の春にウィーン音楽藝術大学(University for music and art in Vienna)でヴァイオリンの講師、教授に指名された。楽器は、1994年よりオーストリア1725年作のストラディヴァリウス作の”シャコンヌ”をオーストリア国立銀行より貸与。2007年12月にはNHK交響楽団とのソロとして出演。東ドイツ製の”Joachim Schade”を所持している。

(Werner Hink)
 1943年生まれ。6歳よりヴァイオリンを始める。ウィーン・アカデミー(現ウィーン音楽・表現芸術大学)にてフランツ・サモヒル教授の教えを受ける。1964年より第一ヴァイオリン、1968年第一ヴァイオリン首席奏者、1974年に首席奏者。1982年よりウィーン市立音楽院教授。楽器は、1992年よりストラディヴァリ:Hammerleをオーストリア国立銀行より貸与されている。シューベルトに特に愛着を持つ。2007年7月の朝日新聞にウィーン弦楽四重奏団のインタヴューに掲載。

ライナー・ホーネックRainer Honeck (© symphonieorchester-vorarlberg)
 1961年生まれ。7歳よりヴァイオリンを始める。僅か8才でウィーン音楽大学へ入学。1981年に20歳でウィーン国立歌劇場管弦楽団及びウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第一ヴァイオリン奏者に。1984年にはウィーン国立歌劇場管弦楽団のコンサート・マスター。1992年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに昇格した。裏(コンマスの隣:第一プルト)で弾くことが多い。

Volkhard Steude
 1971年ライプツィヒ生まれ。5歳よりヴァイオリンを始める。ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学にてヨアヒム・ショルツとヴェルナー・ショルツに、ウィーンにてアルフレッド・シュタールの各氏に師事。1994年23歳でウィーン国立歌劇場管弦楽団のコンサートマスターを務める。2000年からウィーン・フィルのコンサートマスターに就任。裏で弾くことが多い。

Albena Danailova コンサートミストレス

嘗ての名手たち:Gerhart Hetzel


Erste Violine(第一ヴァイオリン)

第一ヴァイオリン・セクション
ウィーン・フィルのVn IとVn IIセクション。指揮者の向かって左側前列がコンサートマスターである。上写真のように楽譜は2人で1つを共有する。弓の運びも見栄えから全員一致している必要がありコンサート・マスターが決定する。2007年度シェーンブルン宮殿のコンサートの模様。指揮者は、Valery Gergiev氏。(© Wiener Philharmoniker)

・コンサートマスターの直ぐ前の客席側で弾いているのが第一ヴァイオリンである。コンサートマスターは、大抵第一ヴァイオリンのトップがなる。オーケストラをまとめ、指揮者の次に重要なポジションである。コンサート・マスターの隣に、フォアシュピーラー(次席奏者)が座る。

・ウィーン・フィルの弦楽器のサウンドについて述べてみましょう。ウィーン・フィルの演奏は、弦楽器にその多くの特徴が見られ、ヴァイオリンの独自の奏法に於いて、音量より音質、絹織りのような美しさで他の楽団より勝っていると思われます。例えば、モーツァルトの『ハフナー』の第二楽章を2005年の日本公演の際、コンマスのキュッヒル氏と次席のホーネック氏の指使いが異なっていたのは面白いことです。二人は第一ヴァイオリンで指使いは同じ事が多いですが、それぞれE線とA線を使っていたのです。それにより、音の厚みが増すのでしょう。尚、ウィーン・フィルはの音はA=440で合わせています。

・公式のウィーン・フィルハーモニーのホームページに興味深い記述があります。有名なウィーンの弦楽器のサウンドに関しては、まだまだ深い研究調査が必要です。これまで継続的に発展して来たことは明らかですが、完全に画一的なウィーン・ヴァイオリン流派があるというわけではありません。但し、ヨーゼフ・ベームやヨーゼフ・ヘルメスベルガーによって築かれた”ウィーン・ヴァイオリン流派”のヴァイオリニストの特徴である暖かい、表現力の豊かな音色、そのごく自然な楽節の区切り方等はすべてその派に基づくものである。同じことは、チェロやコントラバスにも云えるので、たとえばフンマーやシマンドル、その後継者によって、同じような楽派が形成されてきた。ウィーンの弦楽器そのものは、管楽器の違いのようには、オーケストラのサウンドにそれ程は関係しておらず、いくつかの例外を除いては、その楽器の特別のクオリティーによるのではないようです。それよりもむしろ、ウィーン・フィルの弦の各グループは、中世の仕事場のようなやり方で、新しく入団してきたメンバーがウィーン・フィルの特別な演奏スタイルを身につける様に指導していくことにあるようです。名指揮者、フルトヴェングラー氏がウィーン・フィルの弦楽器を他の楽団に持たせて演奏した所、ウィーン・サウンドは出なかったそうです(野村)。

・ウィーン・フィルの弦楽器奏者によると,ウィーンの響きは楽器だけではなく奏者の力量も関係しているのは勿論,敢えて正しい演奏から”ズラして”演奏しているという。聴者には分からないが,それが味わいに成るらしい。との事。

・ウィーン・フィルの弦楽器セクションで使用している楽器は、コンサートマスター以外のメンバーは、Franz GeissenhofかJoachim Schadeかその他を使用している。昔は、Freisleben、ハウデック、ポッラー、フーバーが使われていた。此の楽器はウィーン風の響きとして有名で、Geissenhofはオーストリアのストラディヴァリとも呼ばれる。値段はオークションで400万くらい。一方、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の弦楽器は高いものであると6000万以上するという(ZDF)。

●モーツァルトのオペラ『魔笛』に見るウィーン・フィルのヴァイオリン奏法

魔笛より
モーツァルト『魔笛』より『真夜中の女王』のアリア(上段がVn Iで下段がソプラノ)

 上の楽譜は、モーツァルトの『魔笛』の夜の女王の部分である。私が聞いた録音は、指揮者はゲオルグ・ショルティ、演奏者はウィーン国立歌劇場管弦楽団である。ソプラノの甲高い声に続きヴァイオリンが旋律を奏でる。良く曲を聴いてみると、第一ヴァイオリンでは赤印のAと青印のAの表現方法が異なっている。後者の方が余韻を残すような弾き方である。此れは、正にソプラノ歌手が二度同じ旋律を歌うとしたら前者は優しく歌い流し、後者は声にヴィヴラートをかけ確りとした歌い方をすると思われる発声法を前提として居て、オーケストラも同じように謳う様なメロディーを奏でて居るのである。通常であれば同じ音符で特に気にはしない所であるが、正に洗練されていながら曲のおどけた所をうまく出している。作曲者と曲と音楽の背景に極めて精通している一人ひとりを抱えた楽団でしか表現出来ない芸当と言うことが出来る。

フルートとファゴットを除いたウィーンの楽器には、次のようなサウンドの特殊性が挙げられます

・倍音がより豊かで、基本的にはより明るいサウンドである。
・強弱の範囲がより大きい。(「大きな」音と「小さな」音の差がより大きく出せる)
・サウンドをより変化させやすい(音楽家は音色を幅広い範囲で変化させられる)
とのことです。

・ヴィヴラートのかけ方や指使いの方法で独自の音色を醸し出しているのだと考えられます。団員の楽器は、オーストリア製のもので特に高価な楽器と云う訳ではないが、曲を奏でると”粋”に成る不思議さがあります。よく考えてみると、ウィーン・フィルのメンバーの一人一人の多くが室内楽団(ウィーン室内合奏団など)に属していて”ソリスト”であることが求められているそうである。ウィーンという音楽の都と相まって我々に最高の演奏をもたらしてくれるのである。

・席の順番は、基本的に早く入団したものから前に座って行く。楽譜に「div.」とあれば、第一ヴァイオリンと云えども二手に分かれて演奏する。第二ヴァイオリンのパートより弾く音は高いことが多い。コンサートマスターを除外すれば、オーケストラのヴァイオリン・セクションの中に知名度のある奏者がいる例というのはなかなか少ないものであるが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は、馴染みの名前が多く確認される。

・三拍子のワルツを弾く時、ウィーン・フィルは一泊目:長、二拍目:短、三泊目:短の様に演奏をする。何故なら、舞踏会で踊る時にターンが入るからであり一拍目にターンをする場合に余裕を持たせるためである。と言われている。これがウィーン気質の粋な表現と成って私たちの耳に届けられるのである。

Eckhard Seifert
1952年オーストリア生まれ。1970年ウィーン国立音楽大学に入学。フランツ・サモヒル氏に師事。1973年ウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団、1975年より首席第1ヴァイオリン奏者を務める。1976年ウィーン・フィル入団。

Hubert Kroisamer 1953年生まれ、ウィーン・アカデミー(現・ウィーン音楽大学)でフランツ・サモイル氏に師事。69年チェコスロヴァキアで行われたコツィアン国際 ヴァイオリン・コンクールで第1位。1975年ウィーン・フィルに入団、1978年第2ヴァイオリン首席奏者、1982年第1ヴァイオリン首席奏者となる。

Josef Hell ウィーン音楽大学で学ぶ。1975年にウィーン国立歌劇場管弦楽団、1978年にウィーン・フィルのメンバーとなり、現在は第1ヴァイオリンのリーダーを務めながら、ウィーン音楽大学などで後進の指導にもあたる。

Jun Keller
ウィーン音楽大学にて、ゲアハルト・ヘッツェルに師事。ドイツ、イタリア、日本、ルクセンブルク、オーストリア、ハンガリー、スイスにてソロおよび室内楽演奏会に多数出演。2000年よりウィーン国立歌劇場オーケストラに所属。02年よりウィーン・フィルにて第1ヴァイオリンの首席奏者を務める。

Gerhard LibenskyDaniel Froschauer 1965年オーストリア・ウィーン生まれ。

Gerhard Libensky

Herbert Linke 1945年3月31日、オーストリア、プレスバウム生まれ。

Manfred Kuhn

Günter Seifert 1952年オーストリアのヴァイヤー生まれ。1970年ウィーン国立音楽大学に入学。フランツ・サモヒル氏に師事。1973年ウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団、1975年より首席第1ヴァイオリン奏者を務める。1976年ウィーン・フィル入団。

Wolfgang Brand
1948年オーストリア生まれ。1955年ヴァイオリンの勉強を始める。1970年にはH・シェリング氏のソロ・コースを学ぶ。1974年にウィーン・フィルの第一ヴァイオリンのコンテストで受賞。

Clemens HellsbergClemens Hellsberg (© Phonak AG)
1952年リンツ生まれ。ウィーン大学で、ヴァイオリンを専攻する傍ら、ウィーン大学で音楽学を専攻。1980年哲学博士を取得。1980年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に入団する。1997年に楽団長となる。

Erich Schagerl
1953年オーストリア生まれ。1972年より1978年までフランツ・シューベルト 弦楽四重奏団に所属し若くしてモーツァルト解釈賞を獲得する。1980年から85年までウィーン音楽大学で教鞭をとった。1979年より現職。

Bernhard BiberauerBernhard Biberauer (© 学校法人三室戸学園) 1964年オーストリアのクレムスのキルヒドルフに生まれる。5歳のとき、母よりヴァイオリンの手ほどきを受ける。その後アルフレッド・シュタール教授より教えを受ける。1980年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の「カール・ベーム・コンペティション」第1位受賞。1987年よりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の奏者となる。

Martin Kubik 1967年デュッセルドルフ生まれ。後、ウィーンに移住、1974年アルフレド・スター氏のもとでヴァイオリンを始める。ウィーン音楽院、ウィーン芸術大学を経て、1986年ウィーン国立歌劇場管弦楽団に入団。

Milan Ŝetena

Martin Zalodek 1971年生まれ。

Kirill Kobantchenko 1978年、ロシア生まれ。モスクワでアンドレイ・コルサコフに、ウィーンでボリス・キヒェニーに師事する。2004年より在籍。

Wilfried Hedenborg 1977年オーストリア生まれ。父はスウェーデン人。母は日本人のピアニストで弟はチェロ奏者。04年にウィーン・フィルのメンバーに。

Johannes TombÖck*

Isabelle Caillieret*

Andreas Großbauer*

嘗ての名手たち:Anton Straka, Alfred Welt, Helmuth Puffler, Herbert Fruhauf, Paul Guddenberger, Gerhard Libensky, Sebastian Heesch, Hans Novak

Zweite Violine(第二ヴァイオリン)

・第二ヴァイオリンは、第一ヴァイオリンの補助と考えられがちだが、第一とハーモニーを奏でる大切な役割がある。従ってある程度楽団の響きを熟知した者ないと、第一を支える事が出来ない。縁の下の力持ち的存在である。しかも、第一と同じ旋律を奏でることもあり音域が広い。チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」では、美しい第一ヴァイオリンのTutti(合奏)を聴かせる。チャイコフスキー「交響曲第六番(悲愴)」の終楽章では、第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの哀愁をこめた掛け合いが美しい。

Peter Wächter 1941年10月ウィーン生まれ。1965年11月ウィーン・フィルの奏者に。

Raimund Lissy 1966年ウィーン生まれ。1991年からウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第二ヴァイオリン奏者。

Tibor Kovác ブラティスラヴァに生まれる。ブラチスラヴァ音楽院、プラハ芸術アカデミー、ウィーン国立音楽大学にて学ぶ。複数の国際音楽コンクールに入賞。1992年よりウィーン・フィルの団員となる。

Gerald Schubert

René Staar
ウィーン国立音楽大学、シベリウス音楽院などで研鑽を積む。演奏家としてはもちろん作曲家、批評家、指揮者としても活躍している。

Helmut Zehetner

Ortwin Ottmaier 1941年、ウィーン生まれ。

Heinz Hanke

Alfons Egger

George Fritthum

Alexander Steinberger

Harald Krumpöck
Michael Kostka
Benedict Lea

Marian Lesko1969年スロヴァキア生まれ。スロヴァキア音楽コンクール等で第1位受賞。1995年よりウィーン・フィルの団員。

Tomas Vinklat

Johannes Kostner 1969年12月インスブルック生まれ。ウィーン国立音楽大学およびグラーツ音楽大学卒。2001年より楽団員。

Martin Klimek

嘗ての名手たち:Mario Beyer, Martin Kubik, Josef Kondor, Erbst BArtolomey, Christian Frohn

Viola(ヴィオラ)

ヴィオラ・セクション
ウィーン・フィルのヴィオラセクション。(© Wiener Philharmoniker);写真上の奏者は観客席に最も近い場所で弾いている。曲や指揮者によってはヴィオラの隣(舞台奥)で弾くことも有る。

・ヴィオラはヴァイオリンよ一回り大きい。小さいもので11インチ、大きいもので16インチの大きさに及ぶ。ヴァ

R.Struss ドン・キホーテ
赤枠がヴィオラソロで青枠がチェロソロである。二者の会話をソロで表現している。前者はト音記号とヘ音記号の真ん中の記号ハ音記号を用いている(中央がド)(リヒャルト・シュトラウス『ドン・キホーテ』ヴァリエーションIVの前)

・ヴィオラはヴァイオリンより、より低い周波数範囲をカバーしている。ヴィオラの4本の開放弦は、C3,G3,D4,A4に調弦されている。主旋律より伴奏を受け持つことが多い楽器である。ストラヴィンスキー「春の祭典」の(乙女たちの神秘的なつどい)で、幽玄なソリを聴かせる。サン=サーンスの「交響曲第3番」の冒頭では綺麗なハーモニーを奏でる。リヒャルト・シュトラウスの「ドン・キホーテ」ではチェロと変化自在のソロを奏でる。

Heinrich Koll
Tobias Lea (© JAPAN CABLE NET LIMITED)
1966年にオーストラリアのアデレイデにて生まれる。5歳でヴァイオリンを始める。1987年ヴィオラに転向。1990年から4年間ミラノスカラ座の主席ヴィオラ奏者を務める。1994年9月よりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の主席ヴィオラ奏者

Christian Frohn (© christianfrohn.at) 1964年ウィーン生まれ。1990年にウィーン・フィルに入団。

Peter PechaPeter Pecha 1947年ウィーンに生まれる。ウィーン音楽院にてワルター・シュナイダーハン氏のもとヴァイオリンを始め、65年よりウィーン芸術大学にてカール・シュティールホフ氏に師事し、ヴィオラを始める。1973年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に首席奏者として入団。ボタン式ハーモニカに造詣が深い。

Robert BauerstterRobert Bauerstatter (© The American Austrian Foundation, Inc.)

Wolf-Dieter Rath

Erhard Litschauer

Gottfried Martin

Hans P. Ochsenhofer グラーツに生まれる。1977年ウィーンのヴィオラ奏者。ウィーン国立音楽大学ヴィオラ科教授。

Mario Karwan

Martin Lemberg

Elmar Landerer 1974年生まれ。ウィーン音楽大学のペーター・オクゼンホーファーに師事。同大学卒業後、1996年ウィーン国立歌劇場オーケストラに入団。1999年よりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のヴィオラ奏者となる。

Innokenti Grabko

Ursula Plaichinger* 1975年オーストリア生まれ。女性団員。

Michael Strasser*

Gerhard Marschner*

Thilo Fechner*

嘗ての名手たち:Joseef Staar, Helmut Weis, Klaus Peisteiner, Peter Ochsenhofer


Violoncello (ヴィオロン・チェロ)

・中低音を受け持つこの楽器は、どれだけ楽器を鳴らすかにかかっている。体力的にもきつい楽器である。チェロの4本の開放弦は、C2,G2,D3,A3に調弦されている。チェロの旋律が美しい曲としては、ブルックナー「交響曲第4番(ロマンティック)」の一楽章。ロッシーニ「ウィリアム・テル序曲」の冒頭が有名・チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の冒頭はチェロの二重奏である。

 Franz Bartolomey 1946年ウィーン生まれ。1973年より、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のソロ・チェロ奏者を務める。ハープはフランス人のXavier de Maistre 氏

Tamás Varga 1969年ハンガリーのブダペスト生まれ。7歳からチェロの教育を受け、12歳にしてハンガリー・ジュニア・コンクール第1位に輝く。1999年よりウィーン・フィルのメンバー

フレードリヒ・ドレシャルFriedrich Dolezal © 30ans
1968年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者に。ウィーン・アカデミーでフリーダ・リッシャウアー=クラウス教授にに師事する。1974年に首席奏者。

Raphael Flieder 1962年ウィーン生まれ。1993年からウィーン・フィルのチェリスト。

Werner Resel 元、ウィーン・フィルの楽団長。

Gerhard Kaufmann

Jörgen Fog

Gerhard Iberer 1958年オーストリア生まれ。ウィーン国立音楽大学にてウォルフガング・ヘルツァー氏に師事。1985年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に入団

Csaba Bornemisza

Robert Nagy

Wolfgang Härtel 1975年グラーツ生まれ。2000年までウィーン・フォルクスオーパーの主席チェロ奏者を務めた。

Ursula Wex*

Eckart Schwarz-Schulz*

嘗ての名手たち:Robert Scheiwein, Reinhard Repp


Kontrabass(コントラバス)

ダブル・ベースとも呼ばれる。4つの開放弦は、E1,A1,D2,G2に調弦されている。ベートーヴェン「交響曲第5番(運命)」の第3楽章はコントラバスが大活躍。マーラーの「交響曲第1番(巨人)」の第4楽章は重たいソロではじまる。

Alois Posch 1959年生まれ。ウィーン国立音楽大学でG. V. フライベルクに師事。1964年よりウィーン国立歌劇場管弦楽団、1966年よりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバー。

WolfgangGurtlerWolfgang Gürtler(写真右端)(© wienbass.com) 1947年、ウィーンにて生まれる。1974年にウィーン国立歌劇場管弦楽団へ、1977年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の主席コントラバス奏者となる。

Gerhard Formanek 1942年ウィーン生まれ。1967年ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコントラバス奏者に。

Milan Sagat

Alexander Matschinegg

Georg Straka

Michael Bladerer 1999年よりウィーン・フィルコントラバス奏者。

Bartosz Sikorski 1974年ウィーン生まれ。2000年よりウィーン・フィルのコントラバス奏者。

Manfred Hecking

Jerzy Dybal*

Christoph Wimmer*

Ödön Racz*

嘗ての名手たち:Herbert Mayr, Marttn Unger<


Flöte(フルート):ヤマハ、ムラマツの愛好者が多い。

フルート、オーボエセクション
ウィーン・フィルフルート、オーボエセクション。(© Wiener Philharmoniker)

 上写真は木管楽器のセクションである。弦楽器と違い、息を入れて音を発声させる楽器がメインのパートが多いこともあり頭を合わせる際には息を吸う音で合わせる。上からバス・クラリネット,アルト・クラリネット、Es管クラリネット;下側アルト・フルート,フルート,ピッコロ,フルート2本,オーボエである。

 フルートは、円錐部分で接合された二つの円筒部分からなっていて、その一端は開放、他端は閉じている。キーを押さえる事によって音程を調整する。C4からC7の音程を奏でる。グリーグ「ペールギュント」の「朝」はさわやかなソロを奏でる。チャイコフスキーぼ「くるみ割り人形」の「あし笛の踊り」の旋律は軽快なリズムである。又、ベートーヴェン「交響曲第七番」終楽章や「レオノーレ」序曲の中間では、速いパッセージを吹く。

ヴォルフガング・シュルツWolfgang Schulz 1946年、オーストリア・リンツ生まれ。1970年にウィーン・フィルのメンバーに。1979年教授に。『歌うように』吹くのが信条。(使用楽器:ムラマツ HANDMADE 24K GOLD)
Dieter Flury (© Yamaha Corporation) 1952年、スイス生まれ、1977年にウィーンフィルのフルート奏者となる。(使用楽器:ヤマハ:YFL-971B)

Gunter FederselGünter Federsel(写真引用:アンサンブル11パンフレット) 1959年ウィーン生まれ。1972年にフルートのレッスンを受ける。1990年ウィーン・フィルのメンバーとなる。

Günter Voglmayr 1968年オーストリア生まれ。ヴォルフガング・シュルツに師事。1995年よりウィーン・フィルのメンバー。

Walter Auer 1971年フィラッハ生まれ。 2003年よりウィーン国立歌劇場管弦楽団で、ソリストとしてフルートを演奏。
Wolfgang Breinschmid*
嘗ての名手たち:Meinhart Niedermayr, Rudolf Nekvasil, Günter Federsel, Hans Pichler


Oboe(オーボエ):団員は、Hermann Zuleger,YAMAHAの楽器を使用。

・ウィーン・フィルハーモニーのオーボエは吹き口が膨らんでいて、多くの息を必要とする。
ウィーン式オーボエ(ウィンナー・オーボエ)は演奏の時にヴィブラートをかけないのである。特に、モーツァルトの旋律はノン・ヴィブラートでないと美しく歌えないのだ(野村)。牧歌的でしかも快い寂しさに誘う不思議な魅力を讃えている。
奏法は、多くのオーケストラで使われているフランス製のコンセルヴァトワール式(Conservatoire system)より難しいと云われる。オーボエの基本周波数範囲はB-3からG6までの約3オクターブである。イングリッシュ・ホルン(E3からB-5)、オーボエ・ダ・モーレ(G+3からC+6)もある。チャイコフスキー「交響曲第4番」の第二楽章のソロや「白鳥の湖」の旋律は有名。ドヴォルザーク「交響曲第九番(新世界から)」の二楽章の、エングリッシュ・ホルンのソロは有名。シューベルトの劇音楽『ロザムンデ』序曲のオーボエは有名。オーボエは音のピッチが環境によって変わりにくく演奏前のチューニングの際は、一番先にオーボエ奏者が「A」を吹く。

 

 

 

 

 

 

←ウィンナー・オーボエ(吹き口が膨らんでいるヤマハのウィンナ・オーボエ) (© Japan Double-Reed Inc.)

 

Martin GabrielMartin Gabriel 1956年生まれ。ウィーン国立音楽大学で学ぶ。ウィーン交響楽団のメンバーとして活動を始め、1983年よリウィーン国立歌劇場管弦楽団のメンバー。1988年よリウィーン・フィルのソロ・オーボエ奏者。2005年の10月の来日では、constanze brosch(1979年2月20日生)が二番であった。

Clemens Horak 1969年生まれ。ウィーン総合音楽大学で学ぶ。10年間ウィーン交響楽団のソロ・オーボエ奏者を務め、今は、ウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で同じ地位にある。ソリストとして、ウィーン交響楽団と共演し、数々の音楽祭にも出演している。また、室内楽活動も活発に行っている。

Walter Lehmayer 1943年生まれ、ウィーン・フィルには1973年から活躍。イングリッシュ・ホルンでも力強い演奏をする。

Alexander Öhlberger

Harald Hörth* オーストリアのツヴェットル生まれ。2004年よりウィーン・フィルのオーボエ奏者。

嘗ての名手たち:Gerhard Turetschek


Klarinette(クラリネット):団員の多くはハンマーシュミット(独)の楽器を使用。

木管セクション
ウィーン・フィルの木管・金管セクション。(© Wiener Philharmoniker)

 上写真:ファゴット2本の右側にある楽器は,コントラバスーンである.主旋律を担当することは極稀でコントラバス、チューバなど低音郡と一緒に奏す事が多い.一番下のオーボエの男性は、茶色のオーボエを演奏している.

・モーツァルトがこよなく愛したクラリネットの音はウィーン・フィルにも受け継がれている。決して高い音(クラリーノ音域)もキーキー言わずに優しいメロディーを奏でる。クラリネットは、フレアのある口を持った円筒管に結合された単式機械リードから出来ている。基本周波数範囲は、D3からF6までの3オクターブに渡る。上の写真で、一番左から、バス・クラリネット、アルト・クラリネット、Es管クラリネット、B管(A管)クラリネットである。少量の息で長い音を出せるので息継ぎは少なくて長いパッセージを演奏できる。ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」二楽章は哀しいソロを聴かせる。

ペーター・シュミードルPeter Schmidl (© Naxsos Digital Services LTD. 2007) オルミュッツ(現チェコ・オルモウツ)生まれでウィーン音楽大学で学ぶ。1965年にウィーンフィルに入団し、1968年に首席クラリネット奏者。モーツァルト作曲、クラリネット協奏曲/バーンスタイン指揮の演奏が特に、素晴らしいものだった。

Ernst Ottensamer (© puchberger-kmf) 1955年生まれ。1983年より、同オーケストラ及びウィーン・フィルのソロ・クラリネット奏者を務めている。

Norbert Täubl (© www.ic975.com) 1957年生まれ。1979年ウィーン国立歌劇場管弦楽団のクラリネット奏者。

Horst Hajek 1944年生まれ。1971年から首席奏者となる。

J.HindlerJohann Hindler 1951年オーストリア生まれ。2005年のムーティとの日本公演では、『運命の力』序曲の哀愁帯びたクラリネットの音色を聞かせた。
Andreas Wieser
 1967年レオーベン生まれ。1995年よりウィーン・フィルのメンバー。


Fagott(ファゴット(バスーン)):Heckel(独)の楽器を使用。

 オーボエより低い周波数をカバーするため、管は折り返しになっている。バスーンの基本周波数は、B-1からE-5まで。コントラ・バスーン(B0からF3)、ストラヴィンスキー「春の祭典」の啼くようなソロはききもの。

Michael Werba1955年生まれ。ウィーン音楽大学を77年に最優秀賞を得て卒業。在学中の76年にウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーン・フィルのメンバーとなり、その一年後、ソロ奏者の地位に就いた。父は有名なピアニスト。エリック・ウェルバ氏。2006年の日本公演の際の彼の羽毛の様なppは忘れられない。

Stepan Turnovsky (© ic975) 1959年プラハ生まれ。ウィーン国立音楽大学でカール・エールベルガーに師事し優秀な成績で卒業。1978年よりウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーン・フィルの首席ファゴット奏者。ウィーン国立音楽大学ファゴット科の教授。

Harald MuellerHarald Müller(写真引用:アンサンブル11パンフレット) 1965年ウィーン生まれ。はじめヴァイオリンと合唱を学ぶ。1986年よりウィーン・フィルのファゴット奏者。  

Reinhard Öhlberger 1950年生まれ。

Wolfgang Koblitz ウィーン生まれ。

Benedikt Dinkhauser 1978年生まれ。2002年ウィーン国立歌劇場管弦楽団のファゴット奏者。

 


Horn(ホルン)

ブラスセクション
ウィーン・フィルのブラス・セクションとパーカッション。(© Wiener Philharmoniker)

 ウィンナ・ホルン

ウィーン・フィルのホルンパート
1984年10月の演奏会から。指揮者はR.バーンスタイン、曲は『ライン』(メンバー:手前から?、Willibald Janezic、?、Johann Fischer)

・ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のホルンは、他のオーケストラと決定的に違うところがある。それは音や機構(作り)である。ウィナホルン(ヴィーナー・ホルン)といい通常のものよりも温かく、そしてストレートで広大な音を出す。ウィーン式ホルンはFの音に調律されていて、ロマン派の音楽だとこの楽器ならではの明朗な音が出る反面、音がひっくり返りやすいという難点がある。マウスピースも通常のより比べて吹き口の部分がやや大きい(野村)が高貴なる輝きというべき威厳と牧歌的な味わいを併せ持つ。国際的楽器と根本的に違うのはウィーン式の(F-)ホルンで、管の内径が狭く、管の長さもより長く、バルブはピストン式です。これらのバルブは、ホルンの音が鋭くなり過ぎるのを抑え、やわらかい音のつながりを可能にする長所があります。ウィーン式ホルンは国際的に使われているダブルホルンよりもより強い材質で作られています(ホームページより)。息の量も沢山必要になる。シューマン「ライン」では、ライン川に負けない素晴らしい音を聞かせてくれます!音域は、B1からF5までである。ホルンの口は大きく奏者が手を入れて挿入して、口の形(アンブシャ)だけでなく、ピッチを上げたり、弱音効果を生ずる。円錐形の緩やかなフレアを持った長さ12フィートの巻いた管で出来ている。ヴェーバー「魔弾の射手」(前半は、F管ホルンが吹き、後半はC管ホルンが吹く)の冒頭は美しいアンサンブル。ブラームス「交響曲第三番」三楽章は雄大なホルンのソロが聴ける。ニューイヤーコンサートでお馴染みのJ.シュトラウスの「青き美しきドナウ」の冒頭ではウィンナホルンで奏すと音が一音一音、途切れなくドナウ川の絶え間ない流れを彷彿とさせる。又、ベートーヴェンの「交響曲第三番(英雄)」の第三楽章のホルンの三重奏は勇ましいが難易度は高い。

交響曲第40番 モーツァルト 14小節目付近

Boem Wien














 

<上図>モーツァルト「交響曲第40番」一楽章のスコア。ホルンの二重奏が突き刺すように出てくる(赤い縦線3の部分)。よく見られるフレンチ・ホルンはF管なので「ド」を吹けばピアノでは「ファ」になる。上の楽譜のホルンパートはB管とG管を使うよう指示している。上の楽譜は移調をしている。<下図>FTPアナライザでカール・ベーム/ウィーン・フィルの演奏(1976年CompactDisk)(左図スコア部分)を分析すると、ホルンの音の500Hzが他の楽器より抜きん出ていて、さらにそれが持続されていることが分かる。それによってホルンの存在感が際立つのである。

Blomstedt ←ヘルベルト・プロムシュテット/ドレスデン・シュターツカペレの演奏の同じ箇所を取り出したグラフ。
 ベームの演奏に比べるとホルンは最初だけ音を強く出しているがすぐにデクレッシェンドしている。












 
Wolfgang TombockWolfgang Tomböck jun. 1957年生まれ。1978年にウィーンフィルのホルン奏者。1980年に1stホルン奏者。父もホルン奏者。

Ronald Janezic 1968年、ウィーン生まれ。ウィーン音楽大学卒業後、ウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーン・フィルの首席ホルン奏者に就任。

Lars Michael Stransky←Lars Michael Stransky(写真引用:アンサンブル11パンフレット) 1993年よりウィーン・フィルのホルンソロ奏者。1966年生まれ。

Volker Altmann 1943年生まれ。ウィーン国立音楽大学でG. V. フライベルクに師事。1964年よりウィーン国立歌劇場管弦楽団、1966年よりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバー。

Thomas Jöbstl 1978年生まれ。

Günter Högner 1943年生まれ。ソリストでも有名。2006年の日本公演ではベートーヴェンの第7番で怒涛たる演奏を魅せた。(写真二枚上の左から4番目)

Wolfgang Vladar ウィーン国立音楽大学で学ぶ、ウィーン・フォルクスオーパーの首席ホルン奏者を務め、1994年よりウィーン国立歌劇場管弦楽団およびウィーン・フィルの団員となる。

Roland Horvath 1945年ウィーンで生まれる。

Friedrich Pfeiffer

Sebastian Mayr.jpgSebastian Mayr*(写真引用:アンサンブル11パンフレット) 1970年生まれ。1989年にウィーン国立音楽大学に入学、ローラント・ベルガー教授に師事。
Trompete(トランペット)

トランペットを初めとするリップ・リード楽器は、息により供給される定常空気圧で駆動される。唇はこの定常空気流を絞って、交流空気流に変換する。トランペット、コルネット、トロンボーン、フレンチ・ホルン、チューバがある。音域は、E3からB-5をカヴァーしている。ウィーン・フィルはロータリートランペットを好んで使用している。ベートーヴェンの第九はD管トランペットを使用するように命じられている。C管と比べると深い味わいがする。縦のトランペットを横に倒したようなものを想像して欲しい。レスピーギ「ローマの松」のカタコンベ付近の松のトランペットは幻想的である。マーラー「交響曲第5番」の冒頭のトランペットは勇ましい。
ウィーン・フィルのメンバーは楽器はレヒナー(Lechner)のロータリ・トランペットを使用している。

 

Hans Peter Schuh←Hans Peter Schuh(写真引用:アンサンブル11パンフレット) 1956年オーストリアのスティリアに生まれる。グラーツ音楽大学にてハンス・マイスター教授に、ウィーン音楽大学でヘルムート・ヴォビッシユ教授に師事。1976年にリンツ・ブルックナー交響楽団の首席トランペット奏者に就任し、1978年にウィーン・フィルのメンバーとなり今日にいたる。1991年にグラーツ音楽大学の教授に就任して以来、ソロや室内楽で数多くの演奏活動を繰り広げるかたわら、“グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラ”や“パシフィック・ミュージック・フェスティバル・オーケストラ”等の指導にもあたっている。ウィーン・フィルハーモニック・ウィンド・オーケストラとの共演でフンメルの協奏曲の録音盤がある。 1978年よりウィーン・フィルのトランペット奏者。1991年より教授。



Gotthard Eder1971年生まれ

Martin Mühlfellner

Reinhold Ambros

Stefan Haimel*


Posaune(トロンボーン)

 トロンボーン(ポザウネ)は、長さ9フィートの折り返しになった円筒U字管に、ベル型の口で終端している。伸縮自在の部分によって、音を変える。E2からB4までの約2オクターブ半をカバーする。さらに下の音域を奏でることが出来るバス・トロンボーン(A1からG-4)がある。更に、吹口は大きく肺活量を必要とする楽器である。音が少し高くなってしまった場合はスライドを微妙に調節すればいいので、チューニングは楽である。シューマン「交響曲第三番(ライン)」の4楽章のアルト・トロンボーンは高鳴る響き。ブラームス「交響曲第一番」の4楽章の雄大な和音。チャイコフスキー「交響曲第六番(悲愴)」の、極寒の地での教会を髣髴とさせる和音もいい。モーツァルトの最後の作品「レクイエム」の「ラッパの響き」は力強いトロンボーンの音が聴ける。バス・トロンボーンはチャイコフスキー「くるみ割り人形」の「花のワルツ」で独り静かに四部音符を吹いている。

Dietmar Küblböck

bousfield←Ian Leslie Bousfield 1964年イギリスのヨーク州生まれ。2000年にロンドン交響楽団からウィーン・フィルに入団。Connを愛用。

Gabriel Madas

Karl Jeitler.jpg←Karl Jeitler(写真引用:アンサンブル11パンフレット) 1947年オーストリアのグラーフェンバッハ生まれ。ウィーン国立音楽大学教授。1974年ウィーン・フィルに入団。フィルハーモニックオーケストラ・ウィーンを創設した。

Johann Ströcker

モーツァルトのオペラ『魔笛』に見るウィーン・フィルのトロンボーン

魔笛より
モーツァルト『魔笛』より序曲(上段がVn Iで下段がTrb)

 指揮者はゲオルグ・ショルティ/ウィーン国立歌劇場管弦楽団。赤印のバス・トロンボーンの音が録音では良く聞こえて居る。”fff”の音量ともいえる程力強い音でTbの存在感を増している。上段のヴァイオリン IとIIのtuttiも掻き消してしまう程である!曲にしまりをつけていて良い方向に曲を形作っている。

Tuba(チューバ)

チューバは、大きなベル型の口で終端していて18フィートの巻いた管を備えている。通常3(4)つのピストンが備えられている。F1からF4の音域をカヴァーする。ストラヴィンスキー「春の祭典」第一部の楽章では、チューバ泣かせの高い音域が出てくる。マーラー「交響曲第一番」では、チューバの低い音を長く伸ばすところがある。

Paul HalwaxPaul Halwax(写真引用:www.download.melton.de) 1974年生まれ。

Walter Hilgers* 1959年生まれ。
Schlagzeug(打楽器)

特にティンパニ(ウィーンフィルの使用のティンパニは他の楽団と比べて音が固い感じがする)。ベートーヴェンの交響曲第7番終楽章ではメリハリのあるティンパニを聴くことができる。ブラームス「交響曲第一番」の冒頭から力強い歩み!、大太鼓:ベルリオーズ「幻想交響曲」の死の舞踏では活躍。スネアドラムはラヴェル「ボレロ」でリズムを刻んでいる。

Roland AltmanRoland Altmann 2006年の日本公演でベートーヴェンの交響曲7番の力強く意思のある音が素晴らしかった。

Bruno Hartl

Anton Mittermayr←Anton Mittermayr(写真引用:アンサンブル11パンフレット) 1970年生まれ。1999年よりウィーン・フィルのティンパニ奏者

Kurt Prihoda

Klaus Zauner

Oliver Madas* Benjamin Schmidinger*


Harfe(ハープ)

・ハープはペダル・ハープとも呼ばれ音域は6オークターブ半で46から47本の弦が張られている。『白鳥の湖』冒頭の終楽章で美しいアルペジオを聞かせる。

Xavier de Maistre 1973年生まれ。9歳でハープを始める。1998年のUSAハープコンテストで一位。

Charlotte Balzereit 1979年生まれ。1996年のラインル財団ハープ・コンクールで優勝。女性ハーピスト。


5、ウィーン・フィルハーモニ管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団の演奏会


2012年:未定
ウィーン国立歌劇場オペラ(予定)
2009年11月:
Vn:ヴェルナー・ヒンク,Pf:遠山慶子
2009年11月14日 他
ウィーン・フィルハーモニア・ピアノトリオ
ヴェルナー・ヒンク(元ウィーン・フィルコンサートマスター) / フリッツ・ドレシャル(vc)/ジャスミンカ・スタンチュール(p)
神戸文化ホール他
プログラムの一例
ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 Op.97「大公」
シューベルト ピアノ三重奏曲 第1番 変ロ長調 Op.99 D.898
於:三重県文化センター
寸評:ウイーン・フィルの元コンマスとチェロの首席奏者の魅力的なプログラム。ピアノのスタンチュール女史もウィーンの正統派ピアニストである。ベートーヴェンのピアノトリオでは,ヒンク氏のヴァイオリンの迫力ある中低音と豊潤な高音を存分に味わう事が出来た。ドレシャル氏も決して伴奏に徹することなく主張する音で主役を盛りたてていた。何よりもウィーンの秋の街並みを彷彿とさせる,弦の二人の掛け合いと競うようなメロディーが印象的であった。ピアノもそれにやさしく覆いかぶさるような音色。(スタインウェイのグランド・ピアノの残る響きの豊かさと和音の響きが飽きさせないほどとても美しい)
 ウィーンの室内楽団は,オーケストラの団員の一部で構成されるものやそれだけで活動している楽団があるが世界的に見てもレヴェルの高い演奏であった。時折チェロのフォルテシモの音が最も表現の極地と云うべき歴史的瞬間の感動を味わさせて呉れたのである。
2009年10月5日 (月) 01:00〜04:00
リッカルド・ムーティ指揮,5.1 サラウンド
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 演奏会
10月5日(月) 01時00分30秒〜02時45分30秒
1.歌劇「セミラーミデ」 序曲 (ロッシーニ作曲)
2.バレエ音楽「妖精の口づけ」 によるディヴェルティメント (ストラヴィンスキー作曲)
3.交響曲 第5番 ホ短調 作品64(チャイコフスキー作曲)
4.ワルツ「マリアの思い出」(ヨーゼフ・シュトラウス作曲)
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指 揮:リッカルド・ムーティ
[収録:2008年9月23日,サントリーホール]
寸評:ミューザ川崎の演奏会では一曲目は「ジャンヌダルク」の序曲を演奏したが,「セミラーミデ」の序曲もイタリア歌劇の華麗な快活の旋律をムーティ氏の指揮と相俟って高次元に融合させていた.ストラヴィンスキーは前回「火の鳥」の演奏が技法的に成らずに物語り風に仕上げる余裕はここでも見ることが出来た.ホルンの重奏も理想的な音作りであった.チャイコフスキーの交響曲は,私も実際に生で聴いたが,テレビ放送の音響と大分異なって居た.ホルンの迫力やヴァイオリンIのダイナミクスさは抑えられ全体のバランスが綺麗に整えられていた.VnIの主旋律のメロディーのテヌート,スラーの表現が些か強調されていて新しいチャイコフスキーを聴くことが出来た.ロマンティックな表現と云ったら良いだろうか?

ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2009
Daiwa House Special
▲サントリーホール 大ホール
9月15日(火),9月17日(木)19:00開演
9月20日(日)14:00開演
9月25日(金)19:00開演
▲ミューザ川崎シンフォニーホール
9月19日(土)18:00開演
▲福岡シンフォニーホール
9月22日(火・祝)15:00開演
▲兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
9月23日(水・祝)14:00開演

曲目
ブラームス:交響曲第4番ホ短調 op.98
バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz116
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 op.92

R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」 op.40
R・シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」 op.35

ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11、ピアノ:ラン・ラン
ハイドン:交響曲第104番 ニ長調 Job.I-104「ロンドン」
 所感:後者の二曲を鑑賞。当日はプログラムはドン・キホーテから演奏。チェロのソロはTama's Varga氏。ヴィオラはChristian Frohn氏。ヴァイオリンはAlbena Danailova女史。特に、チェロは力強くそして高貴な印象が残った。二者とも楽団に溶け込むような演奏が印象的であった。「英雄の生涯」は冒頭から力強い3オクターブ分の音の上昇があった。弦楽器群の陰鬱さと弾むような旋律の真髄を味わうことが出来た。


英雄の生涯 中間 ヴァイオリンソロ 重音(和音)の技巧的な箇所*1

又、ヴァイオリンソロはシュトイデ氏。甘美な旋律と技巧的なパッセージを難なく演じきった。特に重音の箇所(上図参照)は弦楽器低音郡の上昇音に乗るように音量を調節しなければならないが、バランスは完璧であった。ワーグナー・チューバの敵視の動機が冷徹に奏でられ場面描写の真髄を感じ取れた。ウィナ・ホルンの難易度の高いパッセージもほぼ完璧であった。リヒャルト・シュトラウス自身もウィーン・フィルを振った事がある曲目と云うこともありメータ氏との信頼関係も十分であり、曲の所々に場面の描写の変化が如実に現れている箇所があり、ウィーン・フィルならではの音の質と相俟って技巧的に終始しない正に”名演”と呼ぶべき演奏であった。出演の団員は、前半は若手の演奏者が多くCbのギュントラー氏、ヴァイオリンの一部のメンバーをお見掛けする程度であった。後半は、100人規模の曲と云うこともあり、Hrn.トムベック氏Jr.、Fg.ウェルバ氏、Cl.シュミードル氏、Trp.シュー氏を拝見することが出来た。
 アンコールはJ.Straussの「レモンの花の咲くところ」ニューイヤーでも演奏されたお馴染みの曲。演奏場所は異なるものの音楽の奏でられる優雅なワルツを鑑賞できた。
Pictures
*1 http://imslp.org/wiki/

指揮:ズービン・メータ

ウィーン・リング・アンサンブル
2009/1/4(日)13:30:愛知県芸術劇場 コンサートホール (愛知県)
J・シュトラウスII(歌劇「こうもり」)/他
 所感:「こうもり」はCDにも収められている定番の曲。ヴェテランならではの音楽の運びと確かな技術は健在であった。VnIとVnIIの掛け合いが理想的で程よくホールの残響と相まって奏でられて居た。オペラ≪騎士パスマン≫からチャールダッシュでは、曲の途中でヴァイオリンIのG線の高ポジションの音が奏でられたがキュッヒル氏の力強い音が印象的であった。ホルンに似た音で厚いと形容できるものである。シュルツ氏(Fl)とシュミードル氏(Cl)の出し物も板に付いてきた。リラックスして全ての曲を演奏していた。音楽を演奏することが大好きなのであろう。聴く方も楽しめる演奏会であった。アンコールでは「美しき青きドナウ」を演奏。ホルンのヘーグナー氏の伸びやかな冒頭の音も決まり二度ウィーン直送の音楽を愉しむ事が出来た。
2009/1/6(火)19:00 サントリーホール 大ホール (東京都)
2009/1/9(金)19:00 いずみホール (大阪府)
2009/1/10(土)15:00 アルカスSASEBO 大ホール (長崎県)


2008年のウィーン国立歌劇場管弦楽団の来日を伝えるホームページ(画像引用:NBS 日本舞台芸術振興会)

WINER FEST 2008

・ウィーン国立歌劇場管弦楽団/W.A.Mozart『コジ・ファン・トゥッテ』
指揮:リッカルド・ムーティ/演奏:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
2008年10/21(火)、10/23(木)、10/25(土)、10/27(月)
於:東京文化会館 大ホール
・ウィーン国立歌劇場管弦楽団/L.V.Beethoven『フィデリオ』
指揮:小澤征爾
2008年10/26(日)、10/29(水)、11/1(土)
於:神奈川県民ホール 大ホール
・ウィーン国立歌劇場管弦楽団/Donizetti『ロベルト・デヴェリュー』
指揮/フリードリヒ・ハイダー
2008年10/31(金)、11/04(火)、11/08(土)
於:東京文化会館 大ホール


プログラム

曲目について:イタリアの作曲家,ドニゼッティの創作の頂点をなす悲劇的ドラマ『ラマムーラのルチーア』の後に『ロベルト・デヴルー(またはエセックス王)』ナポリ1837年に作曲.ドニゼッティはロッシーニからヴェルディの過渡期に活躍し、中世以降の悲劇では抒情旋律と劇的表現が巧みに融合され,気歌劇における心情描写にも優れていた. 所感:グルヴェローヴァの高音が東京文化会館に響き渡った。ドニゼッティの『ロヴェルト・デヴェリュー』の高貴な貴族の役。喜怒哀楽がウィーン国立歌劇場管弦楽団の確かな音楽で完璧な世界を作り上げていた。演奏会形式で大掛かりな仕掛けは無かったが(右端と左端に訳が表示されるボードが在ったのみ)確かな技術に裏打ちされた演奏は稀有な経験を齎した。
あらすじ
女王エリザベッタは、捕らえられた恋人ロベルトの死刑の判決書のサインが迫られるが、決意ができない。(一幕)
 ウィーン国立歌劇場のコンサートマスターは、ライナー・キュッヒル氏,隣がジュン・ケラー氏。Clがシュミードール,Fgがウェルバ氏。流れるような旋律と公爵と女王の遣り取りが自然でオーケストラとの音量的なバランスも良好。三拍子のリズムが随所に出てくるが歌手の最大限の可能性が指揮とオーケストラがうまく引き出している演奏であった。
やがて届けられたハンカチで、恋人の不貞を確信し嫉妬に燃えて決意した。そこに居合わせたノッティンガム公は自分の妻サラとロベルトとの不貞に気づき、復讐を決意する。葛藤に苦しむ女王の前にサラがロベルトから受け取った無実の証しとされる指輪を差し出し、自分とロベルトがかつて恋仲にあったことを告白。(二幕)  嫉妬心をヴァイオリン群高ポジションで表現。トレモロも良好。アルッペジオも芯の有る確かな音で観客を魅了した。
そこにロベルト処刑の砲音が響き、狂乱寸前の女王は最高権力者でありながらも、愛する人を救えなかった絶望の果てに沈む。(三幕)
ドラムの音と大太鼓の重い音に哀しげなウィーンサウンドは天上の音楽に近いものだった。

特別協賛:オリンパス株式会社
協賛:株式会社クレハ 清水建設株式会社 株式会社 商船三井 大日本印刷株式会社 ハウス食品株式会社 株式会社みずほコーポレート銀行
主催財団法人日本舞台芸術振興会(文部科学省所轄公益法人)/日本経済新聞社/神奈川県民ホール(神奈川公演)
特別協賛:キヤノン株式会社
後援:オーストリア大使館

2008.09.16,18,22,23 ウィーン・フィルハーモニーウィーク イン ジャパン 2008
於:サントリーホール、札幌コンサートホール Kitara(9/22)
リッカルド・ムーティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

2008年9月16日(火) 19:00開演
ハイドン:交響曲第67番 ヘ長調 Hob. I-67
ブルックナー:交響曲第2番 ハ短調

2008年9月18日(木) 19:00開演
ヴェルディ:オペラ『ジョヴァンナ・ダルコ(ジャンヌ・ダルク)』序曲
ヴェルディ:オペラ『シチリア島の夕べの祈り』からバレエ音楽「四季」
ニーノ・ロータ:トロンボーン協奏曲
(トロンボーン:イアン・バウスフィールド ウィーン・フィル首席奏者)
ニーノ・ロータ:映画『山猫』の音楽から

2008年9月23日(火・祝) 18:00開演
ロッシーニ:オペラ『セミラーミデ』序曲
ストラヴィンスキー:バレエ音楽『妖精の口づけ』から
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op. 64
料金:各日とも S35,000円 A30,000円 B25,000円 C19,000円 D12,000円
会場:大ホール
主催:サントリーホール
特別協賛:オムロン株式会社
後援:オーストリア大使館
チケット:発売:2008年6月21日(土) 午前10時
その他の日程
9/14(日)ミューザ川崎
【プログラム】
ヴェルディ:オペラ『ジョヴァンナ・ダルコ(ジャンヌ・ダルク)』序曲
所感: ミューザ川崎にて、16:00より開演。一昨年から二年ぶりの日本での演奏。コンサート・マスターはライナー・キュッヒルとライナー・ホーネック。コンマスのヒンク氏が引退され若いコンサート・マスターに否応無しに期待がかかる。
 冒頭のジャンヌ・ダルクの不安な気持ちを代弁するような迫り狂う不気味なトレモロから曲が始まる。そしてトロンボーンの三重奏(バルヴ・トロンボーン一人もいた)の後オーボーの魅力的なソロである。弦楽器の音に厚みがあり謳うように奏でられる能力は世界でも秀でている。あまり演奏される機会が少ない曲であるが美しい曲である。
ヴェルディ:オペラ『シチリア島の夕べの祈り』からバレエ音楽「四季」
 時折見られるペーター・シュミードルのクラリネットの弾むような旋律によって曲が魅力的に展開されてくる。四季によって様々な美しいメロディーが三拍子を基調に移り変わっていく。メリハリのある音楽でとても聴き易かった。イタリアの作曲家ヴェルディをイタリアの指揮者ムーティ氏にもってこいの曲で上手くオーケストラをドライヴしていた。両者の信頼関係は熟練の域に達している。
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64
 ロシアの大作曲家チャイコフスキィをどのように弾くのか大変興味深かった。第一楽章は、クラリネットの呼応する音の処理が凍てつく大地を的確に現しているような理想的な音であった。そして弦楽器の美しいメロディーは極上のハーモニーと流れるような旋律は、さわやかな感じを受けた。レニングラード管弦楽団の十八番であるこの曲はおどろおどろしい曲をイメージしていることもあり、意外な曲運びであった。指揮者のムーティ氏はテンポを遅める場面が時折あり適度な間をうまく利用していた。第二楽章のホルンのソロも厚い柔らかい音でウィナ・ホルンの真髄を聴くことが出来た。ソロ・ホルンはトムベックJr.のヴェテランらしい音。ただ来日したばかりで時差ぼけもありトチリそうなところもあった。第三はワルツ風でウィーン・フィルのお得意とするところ。クラリネットが少し柔らかすぎる感じがしたがオーボとシュルツ氏のフルートが大変良かった。ミヒャエル・ウェルバ氏のバスーンも美しかった。細かい旋律のヴァイオリン群は理想と思える曲の運び。第四楽章は勢いが凄くとても圧倒された。全体を通して縦の線と音量とタイミングが完璧に整っており更に音楽的な余裕がる所が世界最高のウィーン・フィルならではであると再認識した次第である。
9/15(月祝)大阪フェスティバルホール
9/19(金)サントリーホール(非公開)
9/20(土)新潟りゅーとぴあ:シューベルト<未完成>ほか
9/22(月)札幌キタラ
9/24(水)長野県民文化会館

ベルリン&ウィーン・フィルハーモニー
8人のホルン奏者たち
The Horns of the Berlin & Vienna Philharmonics
2008年11月


2008.03.22 ウィーン・フィルハーモニー”アンサンブル・イレブン”演奏会
於:ミューザ川崎シンフォニーホール

Ensamble 11
演奏終了後のサイン会

Ensamble 11
パンフレットに団員のサインを頂く

Flöte:Günter Federsel
Oboe:Clemens Horak
Klarinette:Andreas Wieser
Fagott:Harald Muller
1st Horn:Lars Michael Stransky
2nd Horn:Sebastian Mayr
1st Trompete:Hans Peter Schuh
2nd Trompete:Franz Tosch
Posaune:Karl Jeitler
Tuba:Parl Halwax
Percussion:Anton Mittemayr

【曲目】
[第1部]モーツァルト名曲集
歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より序曲、”心地よい風”
歌劇「魔笛」より”復讐の心はわが胸に燃え”、”僧侶たちの合唱”、”僧侶たちの行進”
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」より”シャンペンのアリア”
交響曲第39番より 第3楽章メヌエット
2つの行進曲 K.335より第1番
セレナード第9番「ポストホルン」より第2メヌエット
ピアノ・ソナタ第11番より「トルコ行進曲」

 寸評:前半はモーツァルトの作品で『コシ・ファン・トゥッテ』序曲や『魔笛』のアリア、『ドン・ジョヴァンニ』の一曲など金管楽器だけで十分曲が活き活きしていたのには吃驚しました。特に交響曲39番の中間の木管楽器が活躍する箇所はウィーン・フィルの良きサウンドをスケールは小さいながらも生かされていた。トルコ行進曲ではトランペットと木管楽器のやり取りがリズミカルで聴き応えが合った。「ポストホルン」ではペータ・シュー氏が小さいホルンの様な楽器ポストホルンを芯のある力強いサウンドでベテランの持ち味を発揮した。特にウィーンの楽器(ヴィエナ・ホルン、ヴィエナ・トランペット)の暖かい音色が会場の人にも十分に伝わったでしょう。

[第2部]ウィンナ・ワルツ&ポルカ集
ヨハン・シュトラウスU:喜歌劇「こうもり」序曲
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ「風車」
ヨゼフ・ランナー:ワルツ「シェーンブルンの人々」
エドゥワルト・シュトラウス:ポルカ「電撃」
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ・マズルカ「町といなか」
ヨハン・シュトラウスU:ワルツ「春の声」
ヨハン・シュトラウスU:ポルカ「ハンガリー万歳」

 寸評:後半は、シュトラウスの曲をメインに。「こうもり」序曲のオーボーの音が特にすばらしく暖かな音色であった。アンコールの一曲で中近東のようなリズミカルな音楽を演奏したのだが、ポザウネとバスの力強い低音がしっかりと木管を支え、ピアニッシモでも柔らかい音は特筆に価する。世界一流の金管楽器奏者のアンサンブルと木管楽器奏者のウィーンハーモニを存分に楽しむことが出来た。演奏終了後、当日CDを購入したお客様に11名の団員のサインのサーヴィスが付きました!皆様のサインをプログラムに頂きました(上図)。団員さんに「ヤマハをご存知ですか?」と聞いたら「知っている」とのこと。直接お会いして団員と話しができてとても良かったです。ウィーン・フィルは2008年11月にもウィーン国立歌劇場として来日されます。こちらもとても楽しみです。

2008.01.04 ウィーン・リング・アンサンブル ニューイヤーコンサート
●曲目

於:愛知劇場コンサートホール
曲目:ウィーン縁の音楽。

Winer Ling Ensamble
演奏会の様子(写真引用:早稲田大学)


ViolineI:Rainer Küchl
ViolineII:Eckhard Seifert
Viola:Heinz Koll
Violoncello:Gerhard Iberer
Kontrabaß:Alois Posch
Flöte:Wolfgang Schulz
Klarinette:Peter Schmidl
Klarinette:Johann Hindler
Horn:Günter Högner

主なプログラム

オット・ニコライ『オペラ《ウィンザーの陽気な女房たち》序曲』
ヨーゼフ・シュトラウス『ワルツ「天体の音楽」』
ヘルメスベルガー『妖精の踊り』:
J.シュトラウスU:ポルカ・シュネル「浮気心」
J. シュトラウスU:ポルカ「狩り」
J. シュトラウスU:オペレッタ「くるまば草」序曲
ツィーラー:ポルカ・シュネル「人生の喜び」
ヨーゼフ・シュトラウス:ワルツ「うわごと」
J. シュトラウスT:ジプシーのガロップ
ランナー:マリアのワルツ
レハール:オペレッタ「メリー・ウィドウ」より,唇は黙していても〜ワルツ・メドレー J. シュトラウスT:狂乱ガロップ
演奏曲目他ポルカ「狩り」、メリーウィドウメドレーなど。アンコール曲は『美しき青きドナウ』と『ラデツキー行進曲』

 寸評:ウィーンの風を運んでくるような軽快な曲で幕を開けた。ウィーン・フィルのコンサートマスターのキュッヒル氏のヴァイオリンがとても綺麗に響き渡った。『天体の音楽』時折聞こえるクラリネットとフルートの掛け合いが大変美しい。スケールの大きい題名ではあるが、美しいハーモニーの曲である。『妖精の踊り』バスパートのふくよかな低音の後のヴァイオリンの細かなトレモロと高い音の動きが印象的な曲である。2007年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで演奏された。ここでも音量のバランスが最大限注意が払われていて室内楽の極みを見ることが出来た。ヘーグナー氏のホルンのソロは伸び伸びとしていて美しい音色であった。『くるまば草』はヴァイオリンのソロが麗しき音。高ポジションに於いても高尚さを保つプロの匠な技。

ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート 2008

日程:2008年01月01日11:15〜
指揮:ジョルジュ・プレートル
演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

曲目
第1部
・ナポレオン行進曲 op.156(ヨハン・シュトラウス2世)
・ワルツ『オーストリアの村つばめ』 op.164(ヨーゼフ・シュトラウス)
・ルクセンブルク・ポルカ op.60(ヨーゼフ・シュトラウス)
・パリのワルツ op.101(ヨハン・シュトラウス1世)
・ヴェルサイユ・ギャロップ op.107(ヨハン・シュトラウス1世)
・天国と地獄のカドリーユ op.236(ヨハン・シュトラウス1世)
・ギャロップ『小さな広告』 op.4(ヘルメスベルガー2世)

休憩

第2部
・喜歌劇『インディゴと40人の盗賊』序曲(ヨハン・シュトラウス2世)
・ワルツ『人生を楽しめ』 op.340(ヨハン・シュトラウス2世)
・ポルカ・フランセーズ『閃光』 op.271(ヨハン・シュトラウス2世)
・トリッチ・トラッチ・ポルカ op.214(ヨハン・シュトラウス2世)
・ワルツ『宮廷舞踏会』op.161(ヨーゼフ・ランナー)
・ポルカ・マズルカ『とんぼ』 op.204(ヨーゼフ・シュトラウス)
・ロシア行進曲 op.426(ヨハン・シュトラウスU世)
・フランス風ポルカ『パリの娘』 op.238(ヨハン・シュトラウス2世)
・中国人のギャロップ op.20(ヨハン・シュトラウス2世)
・皇帝円舞曲 op.437(ヨハン・シュトラウス2世)
・ポルカ『インドの舞姫』 op.351(ヨハン・シュトラウス2世)

おまけ/アンコール曲

・スポーツ・ポルカ op.170(ヨーゼフ・シュトラウス)
・ワルツ『美しく青きドナウ』 op.314(ヨハン・シュトラウス2世)
・ラデツキー行進曲 op.228(ヨハン・シュトラウス1世)

・ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート 2007
「行進曲“乾杯!” 作品456」ヨハン・シュトラウス作曲
「ワルツ“調子のいい男” 作品62」  
「ポルカ“水車” 作品57」                
ヨーゼフ・シュトラウス作曲
                              
「妖精の踊り」        ヨーゼフ・ヘルメスベルガー作曲
                              
「ワルツ“うわごと” 作品212」ヨーゼフ・シュトラウス作曲
                              
「入場のギャロップ 作品35」 ヨハン・シュトラウス父・作曲
                              
<休憩>
「喜歌劇“くるまば草” 序曲」   ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「イレーネ・ポルカ 作品113」 ヨーゼフ・シュトラウス作曲
                              
「ワルツ“レモンの花咲く所” 作品364」         
                  ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「ポルカ“ブレーキかけずに” 作品238」         
               エドゥアルト・シュトラウス作曲
                              
「ポルカ“都会と田舎” 作品322」            
                  ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「水夫のポルカ 作品52」                 
「ワルツ“ディナミーデン” 作品173」          
                 ヨーゼフ・シュトラウス作曲
                              
「エルンストの思い出 作品126」             
「狂乱のギャロップ 作品114」              
                ヨハン・シュトラウス父・作曲
                              
「ポルカ“軽い足どり”」   ヨーゼフ・ヘルメスベルガー作曲
                              
<アンコール>
メータ氏:ブルガリアとルーマニアのEU加盟おめでとう!

「ワルツ“美しく青きドナウ” 作品314」         
                  ヨハン・シュトラウス作曲
                              
「ラデツキー行進曲 作品228」              
                ヨハン・シュトラウス父・作曲
                              
        (管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
                  (指揮)ズービン・メータ

コンサートマスター:ヴェルナー・ヒンク
所感:4回目のメータ氏とウィーン・フィルの息はぴったり。シュトラウス父子の
あまり知られていない曲を演奏した。ヘルメスベルガーの秘曲も興味深かった。


2006.11.08 ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2006 (2006年で25回目の来日)

■於: サントリーホール 大ホール 指揮者:ニコラス・アーノンクール 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

「ブルックナー(交響曲第5番変ロ長調)」
■公演日:2006年11月3日(金) ■開演:3:00PM ■開場:2:20PM

「シューマン(交響曲第3番変ホ長調「ライン」)/他」
■公演日:2006年11月8日(水) ■開演:7:00PM ■開場:6:20PM

「モーツァルト(交響曲第39,40,41番)」
■公演日:2006年11月11日(土) ■開演:6:00PM ■開場:5:20PM
NHKにて放送された。アーノンクールのリズミカルな速いテンポで曲が高貴に仕上がっている。

「ベートーベン(交響曲第7番イ長調)/他」
■公演日:2006年11月13日(月) ■開演:7:00PM ■開場:6:20PM

ベートーベン(交響曲第7番イ長調)/他」
■公演日:2006年11月7日(火) ■開演:7:00PM ■開場:6:30PM
■於: ミューザ川崎シンフォニーホール

プログラム
2006年日本公演の際のプログラム表紙


ニコラス・アルノンクール指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ミューザ川崎
会場前、ホール入り口は人で一杯でした。会場は18:30ほぼ同時刻に心地よいメロディーが流れ、ドアが開く。
19: 00開演。19:02ころに楽団員が続々入ってくる。あのヴァイオリンのキュッヒル氏、シュトイデ氏(体が大きい)やクラリネットのシュミードル氏、バスーンのウェルバ氏、ヴィオラのヴァイス氏(優しそうなお爺さん)、ヴィオロン・チェロのドレシャル氏、コントラバスのギュントラー氏(曲の休みには、ベースを抱えていらっしゃいます)ら枚挙にいとまが無い!超一流の面々!感動ものです。
曲目
モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K543

アーノンクールの流れるような指揮でゆったりとしたテンポで進みました。

一楽章の和音から細かなパッセージまでほぼ完璧な美しい音でした。お馴染みの弦のやわらかいメロディーはウィーンの香りがするとても魅力的なところです。間近でそれが聴けて感無量です。
二楽章では透き通るようなヴァイオリンのppとバスのふんわりと優しく響く低音の調和が素晴らしかったです。コントラバスが四、五人だったのですが十分にホール全体に響いていたと思います。クラリネットのシュミードル氏のふくよかな音色も印象的でした。
三楽章は、テキパキとした旋律で流れるようなメロディー。バスーンの他の木管とウェルバ氏の掛け合いソロ(下りの連符)も主張しすぎないで、「振り返るとそこに君がいた」ように、程よく音楽に溶け込んでいます。これがなかなか難しく日本のプロでも怪しいところが見受けられます。どうしても音程がずれてしまうか、音が大きくなりすぎてしまうのです。ウェルバ氏の演奏は羽毛のようなp!チェロのPizzが良く響いていました。
四楽章は、モーツァルトの遊び心満載な楽章でネズミが動き回るような可愛らしい楽章でウィーン・フィルは急ぎすぎず適度な緊張感があった。良く「神々しい」とも言われる39番。まさにその通り!
モーツァルト生誕250周年にぴったりな選曲です。時折、アーノンクールは、ジェスチャーで木管群に「音を出すように」と迫ります。しかし、難なくそれにウィーン・フィルは答えます。生演奏に最高を求める姿に感動しました。
演奏後、アーノンクール氏は少し譜面台に凭れる格好となりましたが、何とか取り直したようです。楽団員も少し吃驚していました。少し張り切りすぎたのでしょうか?

休憩は20分。ミューザ川崎のロビーで、お土産を探します。1500円から2000円のキーホルダーやペン、トートバッグなど売って居ました。スーツ、ワンピースで着飾った観客が多かったですね。世界最高のオーケストラの演奏会にふさわしい雰囲気。
休憩が終わり、

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 op.92

第一楽章 ドラマでも使われている有名な曲。一斉のtuttiの後、オーボエが歌うように奏でます。包み込むようなまろやかな音ですがビブラートをかけない。ここにウィナオーボエの真髄がここにあります。少し音が最初低かったように思いますがすぐに修正。気になりませんでした。そして弦楽器のtutti、第一のEは開放弦でした。例の盛り上がるホルンの出番の後、一人の奏者がボーゲン(楽器の管)を変えていました。VPOならではといえます。 シュルツ氏のフルートは、鳥が飛び回るような快活でかつ美しい。フルートの二人は金色の眩い楽器を使っていました。その後の、弦の応えるタイミングも完璧。美しい。
第二楽章 アーノンクールは、休符に意味を持たせる事で有名です。特にホルンの信号の後の沈黙は芸術でした。無音が意味を持って迫ってきます。チェロの悲しげなフレーズが、主席のドレシャル氏を先頭にして迫ってきます。ウィーン・フィルの一番の見せ所でした。
第三楽章 ティンパニが素晴らしかったです。革張りでメリハリのある音でコントラストが付いていた。4名のホルンの強奏は、ヴェテランのギュンター・ヘーグナーを始め、もはや芸術。突き刺す様な鋭い音でしたが決して下品な音ではない。直接耳に迫ってきますから、不思議です。 第四楽章 曲の締めくくりは前楽器の大合奏。集中力が途切れることなく曲は閉じる。弦楽器もとても美しい。最後のほうでは奏者が一生懸命体を動かして芸術が生まれる瞬間を見ることが出来ました。強弱の波にのまれた観客も多かった事でしょう。

コンサートマスターのライナー・キュッヒル氏が引っ張るウィーン・フィルは生き生きとしていて聴き応えがあります。もう一人のコンサートマスターのヒンク氏でしたら又違った音楽が聴けたでしょう。
交響曲第七番で第一ヴァイオリンのE線の高音のトレモロの響きが凄まじい。マイクなしで二階席まで恐ろしいほど良く迫ってきたのは今までの演奏会では、ありませんでした。

団員は第一ヴァイオリンの末席の女性(写真参照)を除いては全員男性。

ティンパニの奏者アルトマン氏?は、曲中でも空いている時間に頻繁に軽く手で叩いて耳を近づけて、音合わせをしていたのが印象に残っています。
曲の間の、ウィナホルンのつば抜きが大変そうでした、7番でホルンが2-3箇所ミス?でしたが演奏終了後、2アシのホルン奏者(名前はわかりません)がヤノシッツ氏かリントナー氏に親指を立ててOKポーズ。ウィーンフィルにとっても最高の演奏だったのでしょう。

アンコール曲:ベートーヴェン 交響曲第8番から 第二楽章これも素晴らしい。
演奏終了後、鳴り止まない拍手にアーノンクールは、再び舞台に登場。期待に応えてくださいました。一流の演奏家が一流の曲を最高な条件で最高な演奏をする瞬間に立ち会えることができてとてもうれしく思います。

ウィーン・フィルの皆様、アーノンクール様、お疲れ様でございました。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
観客の大きな拍手に応えるアルノンクールとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(筆者撮影)


●ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏(メディア)

ザルツブルク音楽祭2006 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」/放送日 :2008年 4月13日(日)
放送時間 :翌日午前0:40〜翌日午前4:00
第1幕
第2幕
モーツァルト作曲
【出演】
トマス・ハンプソン ほか
(合唱)ウィーン国立歌劇場合唱団
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(指揮)ダニエル・ハーディング
オーストリア・ザルツブルク祝祭大劇場

 所感:斬新な舞台であったが、好色家のドン・ジョバンニのイメージとは懸け離れた演出であった。ウィーン国立歌劇場管弦楽団は力強い演奏と美しいウィーンサウンドを聴かせたが、主要な曲でテンポが乱雑になってしまったところがあった。しかし、過剰な演出を抑えハンプソン氏をはじめ実力のある歌手が揃い、視点を変えた『ドン・ジョバンニ』が観れた事が大変、意義深い。

2006年 8月26日 (土)  00:30〜03:59 ザルツブルク音楽祭 2006 Bモード・ステレオ
モーツァルト・ガラ・コンサート
8月26日(土) 00時30分23秒〜02時13分53秒 [1時間43分30秒]

歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 から
1.    序曲
2.    カタログの歌「奥さん、これが恋人のカタログ」
3.    彼女こそわたしの宝
歌劇「ポントの王ミトリダーテ」から
4.    耐えがたい苦痛のなか
歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」 から
5.    親愛なる神々よ
6.    わたしは行くが、きみは平和に
7. 彼をふりかえりなさい K.584
歌劇「イドメネオ」 から
8.    序曲
9.    もし父を失うならば
10.    もし私がその言葉を聞いて死なぬとしたら
11.    オレステスとアイアスの
12. 交響曲 第38番 ニ長調 K.504 「プラハ」
( 以上 モーツァルト作曲 )

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ソプラノ : アンナ・ネトレプコ (1曲目)
  〃 : パトリシア・プティボン (4曲目)
  〃 : エカテリーナ・シウリナ (9, 10曲目)
メゾ・ソプラノ : マグダレーナ・コジェナー (6, 10曲目)
テナー : ミヒャエル・シャーデ (3, 5曲目)
バリトン : トマス・ハンプソン (7曲目)
バス : ルネ・パーペ (2曲目)
管弦楽 : ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指 揮 : ダニエル・ハーディング

[ 収録: 2006年7月30日, フェルゼンライトシューレ (オーストリア・ザルツブルク) ]

感想:コンサートマスターは、ウェルナーヒンク。『ドン・ジョバンニ』序曲は早めのテンポ。曲自体はそっけない感じがしたが
やはり腐っても鯛、低音からくる不気味さは凄い。そして、アリアの独唱も良かった。


2006年6月24日(土)/00:40〜03:592005年11月5日ウィーン国立歌劇場 (オーストリア)
ウィーン国立歌劇場再建50周年記念ガラ・コンサート
1. 序曲「レオノーレ」 第3番 作品72 (ベートーベン作曲 )
指 揮: 小澤 征爾
小澤のベートーヴェン。走りがちな小澤をウィーン・フィルはしっかりと制止した。特に第一ヴァイオリンの細かな旋律が素晴らしかった。
 
2. 歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 ( モーツァルト作曲 )
 第1幕から カタログの歌 「奥さん、これが恋人のカタログ」
 第2幕から いいえ違います 〜 わたしはあなたのもの
 第1幕から 酒の歌 「みんな楽しくお酒を飲んで」 〜 フィナーレ
ドン・ジョヴァンニ トマス・ハンプソン
ドンナ・エルヴィーラ ソイレ・イソコスキ
ドンナ・アンナ エディタ・グルベローヴァ
ドン・オッターヴィオ ミヒャエル・シャーデ
ツェルリーナ イルディコ・ライモンディ
レポレルロ フェルッチョ・フルラネット
マゼット ボアズ・ダニエル
指 揮 ズービン・メータ
 
3. 歌劇「ばらの騎士」 第3幕 から
  心から愛しています 〜 まるで夢のよう
( リヒャルト・シュトラウス作曲 )
ウェルデンベルク侯爵夫人 ソイレ・イソコスキ
オクタヴィアン アンゲリカ・キルヒシュラーガー
ゾフィー ゲニア・キューマイア
フォン・ファーニナル ゲオルク・ティッヒ
指 揮 クリスティアン・ティーレマン
 
4. 歌劇「アイーダ」 から 第3幕 ( ヴェルディ作曲 )
アイーダ ヴィオレタ・ウルマナ
ラダメス ヨハン・ボータ
アモナズロ フランツ・グルントヘーバー
アムネリス ナディア・クラステワ
ランフィス フェルッチョ・フルラネット
歌劇「アイーダ」 第4幕 から ( ヴェルディ作曲 )
  憎いアイーダは逃げ去った 〜 すでに神官たちが待っている
アムネリス アグネス・バルツァ
ラダメス プラシド・ドミンゴ
指 揮 ダニエレ・ガッティ
 
5. 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 から ( ワーグナー作曲 )
  前奏曲
  ザックスのモノローグ 「にわとこの花のかぐわしさ」
  目覚めよ、夜明けは近づいた
ハンス・ザックス ブリン・ターフェル
指 揮 クリスティアン・ティーレマン
 
6. 歌劇「影のない女」 第3幕 から ( リヒャルト・シュトラウス作曲 )
  わたしに委ねられた
  じっと立っていなさい 〜 心から歓呼しよう
バラックの妻 デボラ・ポラスキ
染め物師バラック ファルク・シュトルックマン
皇后 リカルダ・メルベト
皇帝 ヨハン・ボータ
生まれざる子どもたちの声 イレアナ・トンカ
  〃 ボリ・ケセイ
  〃 コルネリア・サリエ
  〃 ナディア・クラステワ
  〃 ミヒャエラ・ゼリンガー
  〃 ヤニナ・ベヒレ
指 揮 フランツ・ウェルザー・メスト
 
7. 歌劇「フィデリオ」 第2幕 から   フィナーレ ( ベートーベン作曲 )
群衆と囚人たちの合唱「このよい日」
レオノーレ デボラ・ポラスキ
フロレスタン ヨハン・ボータ
ドン・フェルナンド トマス・ハンプソン
ロッコ ワルター・フィンク
マルツェリーネ イルディコ・ライモンディ
ヤキーノ ヘルヴィヒ・ペコラロ
ドン・ピツァロ ファルク・シュトルックマン
指 揮 小澤 征爾
合 唱 ウィーン国立歌劇場合唱団
管弦楽 ウィーン国立歌劇場管弦楽団

NHK-BS2 クラシックロイヤルシートより。

ウィーン国立歌劇場の記念すべき演奏会としてふさわしい曲目と演奏。オペラの一流の歌手を迎え、最高の場所で最高の演奏が聴けた。

最近のコンサートからNHK-BSで2005年10月11日(火)、12日(水)のプログラムを放送。於:サントリー・ホール

シューベルト:ロザムンデ序曲
モーツァルト:交響曲第35番 ニ長調 「ハフナー」
ラヴェル:スペイン狂詩曲
ファリャ:バレエ音楽 「三角帽子」第2組曲

アンコール曲 ヴェルディ 「運命の力」から序曲

リッカルド・ムーティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。

ウィーン・フィル演奏会にしては珍しいスペインの曲を含んだ演奏会。「スペイン狂詩曲」では、スペインの情熱さと幻想的な曲想にぴったりの演奏。コーラン・グレーの力強さも忘れがたい。モーツァルトの、ハフナーは絹のような繊細さが印象的であった。テンポは気持ち、速めに見えた。ピッチは通常のオーケストラの442Hzより低めで、モーツァルトの時代を偲ばせる演奏だった。「三角帽子」は、それぞれの楽器の主役と脇役を幅広い音量のバランスを持って表現していた。アンコール曲は、ムーティお得意のイタリアの作曲家、ヴェルディの作品。訴えるようなヴァイオリンと天上の音楽を思わせる金管の和音の高度な融合が見られた。

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名演奏。(映像)

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 W.A.モーツァルト「ドン・ジョバンニ」序曲

1954年8月 ザルツブルグ音楽祭より NHK-BS

モノラル録音であるが不気味な旋律と大きな和音が聴く者を地獄へ誘う。

 カール・ベーム指揮 W.A.Mozart「交響曲第40番、41番」 クラシカ・ジャパン

1973年 クラシカ・ジャパン

 とてもゆっくりしたテンポ、テンポとハーモニーを大切にした録音である。最初のホルンの音が突き刺さるような音。ヴァイオリンセクションの些細なポルタメントが唄うように奏でられる。3楽章のホルンのソリはどこまでも響き渡る深遠なる音。

モーツァルト「交響曲第40番」冒頭部分。第一ヴァイオリンの旋律で赤い線の付いたDからBの音の変化でポルタメント奏法を用いる。つまり、A線のレからE線のシへ飛ばずにA線のシを奏す)。当時のコンサートマスターのヘッツェル氏は、E線のシを弾いていたと思われる。明るいEの音を狙ったと思われる。



レオナルド・バーンスタイン指揮 R.シューマン「交響曲第3番変ホ長調(ライン)」 クラシカ・ジャパン

1985年 クラシカ・ジャパン

 迫力が凄い。弦楽器の張り裂けんばかりの雄大なトレモロにライン川の激流に呑まれたかのような強奏のホルンは素晴らしい。コンサート・マスターは、ライナー・キュッヒル氏。


6、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のCD

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団は我々に多くの名演をCD、レコードを残している。そのほとんどが名演であるが特に私が愛聴しているディスクを下記に挙げた。
                                 
作曲者 曲目 指揮者 レーベル 録音日 感想
W.A.モーツァルト 『交響曲第35番 ニ長調 K.385(ハフナー)』 カール・ベーム ドイツ・グラモフォン 1981年 包容力のある『ハフナー』である。時折テンポの揺れが見られ良い方向に音楽を形作っている。
W.A.モーツァルト 『ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466』 クラウディオ・アバド/フリードリヒ・グルダ ドイツ・グラモフォン 1974年 明と暗の彫が深い演奏で、歌うようなピアノの旋律が印象深い。一楽章ではヴァイオリン群の冷酷な「D」の連続は無限に続くかのようだ。
W.A.モーツァルト 『交響曲第40番 ト短調 K.550』 カール・ベーム ドイツ・グラモフォン 1977年 憂いを表現する第一楽章では弦楽器の美しい音色と暖かい音色の木管楽器(ホルン含む)との融合が見られ曲の格調を一層、高めている。
W.A.モーツァルト 『交響曲第41番 ハ長調 K.551』 カール・ベーム ドイツ・グラモフォン 1977年 最後の交響曲と云うことで堂々とした演奏。第二楽章は安心できる名演。
W.A.モーツァルト 『交響曲第25番 ト短調 K.183』 イシュトヴァン・ケルテス デッカ 1972.11 第25番は小ト短調と呼ばれ激しい旋律が特徴。ヴァイオリンの激しい旋律とオーボーのノンヴィヴラートの掛け合いは極上。ヴァイオリンが駆け上がる旋律の場所では音の粒が良く揃っており曲の高貴さが失われていない。
W.A.モーツァルト 『交響曲第29番 イ長調 K.201』 イシュトヴァン・ケルテス デッカ 1972.11 一楽章は活発で元気が良く弾む様な旋律と木管の音量のバランスが大変に良く纏められている。
W.A.モーツァルト 『交響曲第35番 ニ長調 K.385(ハフナー)』 イシュトヴァン・ケルテス デッカ 1972.11 素早い旋律も適度なテンポ感でとても清々しい演奏である。第一楽章で引き締め、第二楽章で雄大な音場を実現させる。最終楽章では一瞬の間も音楽と携えることが出来るほど素晴らしい出来である。
W.A.モーツァルト 『レクイエム ニ短調 K.626』 カール・ベーム ユニバーサル 2001年 「キリエ」の頭ではヴァイオリンの八分音符がヴィヴラート弱めで且つ力強く意志の強さを十分に示して居る。一方、「ラクリモーサ」では魂の飛翔の様に只軽やかであり作曲者の最後の作品に相応しい演奏である。
J.ブラームス 『交響曲第1番 ハ短調 op.68』 C.M.ジュリーニ ドイツ・グラモフォン 1991年 大地に足を着けた様な堂々とした演奏。冒頭から心臓の鼓動のように刻むティンパニと共に弦楽器群の重い足取りが印象深い。一楽章はありきたりでスマートな演奏だが、二楽章、三楽章に於いては、ゆっくり時間を掛けて成熟したワインのような心満たされる演奏に仕上がっている。
リヒャルト・シュトラウス『ホルン協奏曲第1番・2番』 アンドレ・プレヴィン/指揮 ドイツ・グラモフォン 1991年 ウィンナ・ホルンの力強さとソフトさを存分に味わうことが出来る。
W.A.モーツァルトオペラ『フィガロの結婚(ハイライト)』 エーリヒ・クライバー 1959年 初めてオペラのCDを買った一枚。演奏の高貴さと抜群の歌唱力の融合が見られる。序曲はメリハリの効いた溌剌とした音楽が楽しめる。音も40年以上経った録音とは思えないほど良い。
W.A.モーツァルトオペラ『ドン・ジョバンニ K.527』全曲 カール・ベーム ドイツ・グラモフォン 1977年 序曲はモーツァルトの心の叫びのように力強くメリハリが付いている。「カタログの歌」「ぶってよマゼット」のアリアの伴奏はオーケストラがとてもよく歌い手に応えている。最後の騎士長が晩餐に参った場面では最強の強奏は忘れられないほど強烈なものである。
W.A.モーツァルトオペラ『魔笛』全曲 ゲオルグ・ショルティ ドイツ・グラモフォン 1990年 序曲はバランスが良くファンタジーの幕開けを期待させる。テンポの運びにもう少しメリハリが欲しいが夜の女王のアリアなどオーケストラと歌唱が一体になった演奏である。録音は大変良く、リファレンスディスクとしても十分通用する。
W.A.モーツァルトオペラ『ジークフリート』全曲 ゲオルグ・ショルティ ロンドン 1962年 低音の充実歌手の充実。ワーグナーの世界を見事に表している。
W.A.モーツァルト『美しき青きドナウ』シュトラウス・コンサート カラヤン他 デッカ 1950年以降 『青き美しき』は少しスケールが小さい。『ジプシー』はウィーン気質の粋な演奏である。
W.A.モーツァルト『クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581』 カール・ライスター/Cl カメラータ 1981年 VnI:ウェルナー・ヒンク、VnII:フーベルト・クロイザマー、Va:クラウス・パイシュタイナー、Vc:ラインハルト・レップ。ライスターのはきはきとしていて円やかなクラリネットとウィーンの伝統を感じさせる熱いハーモニの融合が見事である。
L.V.ベートーヴェン『交響曲第9番 ニ短調(合唱)』 クラウディオ・アッバード ?年 第二楽章は唄う旋律でチェロの甘美な音色が素晴らしい。
L.V.ベートーヴェン『交響曲第5番 ハ短調 Op.67(運命)』 C.クライバー 1979年 第一楽章の運命の動機の間合いと力強さが完璧に曲の終わりまで一貫している。
L.V.ベートーヴェン『交響曲第7番 イ長調 op.92』 C.クライバー ドイツ・グラモフォン 1979年 テンポの運びと弦楽器の上昇音階、木管とのバランスが完璧に融合した稀有の名演奏。
A.ブルックナー『交響曲第4番 変ホ長調(ロマンティック)』 カール・ベーム ?年 ホルンの深遠なる響きと弦楽器の弾む旋律は正に優等生的な演奏であり、敬虔な音楽が堪能できる。
A.ブルックナー『交響曲第3番 ニ短調』 カール・ベーム ?年 ヴァント氏(NDR)のギリシアの建造物の様な壮大な音楽に対し理想的な曲造りが印象的である。
F.シューベルト『交響曲第8番ロ短調(未完成)』 ケルテス ユニバーサル 1981年 ホルンのソロが入る前の一斉に奏される冒頭部分の終止形も見事で想像力が駆り立てられる。C.クライバーの様に淡々としているのではなく謳う所は謳いウィーン・フィルらしい演奏である。
P.チャイコフスキー『交響曲第6番 ロ短調(悲愴)』 ロリン・マゼール ユニバーサル 2001年 憂鬱さと激しさが交錯するスケールが大きい演奏である。
P.チャイコフスキー『3大バレエ組曲』 レヴァイン グラモフォン ?年 白鳥の湖はあまり好演とは云えない。作曲者の意図しているバレエの付随曲の真髄を此の盤では味わうことが出来なかった。K氏のヴァイオリンソロもあまり好感が持てない。
W.A.モーツァルト『ディヴェルティメント ニ長調〜行進曲ニ長調K.445ほか』 ウィーン室内合奏団 クレスト1000(デンオン) 1991年 VnI:ゲルハルト・ヘッツェル、VnII:ヨゼフ・ヘル、Va:ハットー・バイエルレ、Vc:アーダルベルト・シュコチッチ、Cb:エルベルト・マイアー、Hrn:フランツ・ゼルナー、フォルカー・アルトマン、Cl:ノールベルト・トイプル、ヨハン・ヒントラーで構成されるウィーン室内合奏団。ヘッツェル氏のヴァイオリンの雲雀のような高らかに謳いあげるウィーンらしさを存分に味わうことの出来る名盤である。
複数作曲家『The Art Of Wiener Kammerensamble』 ウィーン室内合奏団 DENON 2007年 PF:イェルク・デムスら、上記の曲も含まれているディスクは9枚入り。ウィーンの良き時代のゆったりとしたテンポの曲を中心とした室内楽でまとめられている。ウィーンサウンドファンには是非傍らに置いておきたい一つである。

1. フルート四重奏曲 ハ長調 K.Anh.171 (285b) (モーツァルト作曲 )

2. 歌劇「魔笛」K.620 から

   序 曲

   恋人か女房があればいいが   ( モーツァルト作曲 / ウェント編曲 )

3. フルート四重奏曲 ニ長調 K.285   ( モーツァルト作曲 )

ウィーン・フィルのフルーティスト、ヴォルフガング・シュルツ氏が率いるウィーン・フィルハーモニア弦楽三重奏団(バイオリン : ペーター・ウェヒター、ビオラ : トビアス・リー、チェロ : タマーシュ・ヴァルガ)の演奏会の様子である。シュルツ氏の綺麗なフルートの音は健在で他の奏者ともぴったり息が合っていた。


●参考文献(文中には斜体の文が引用文)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ホームページ(http://www.wienerphilharmoniker.at/)

『ウィーン・フィル音と響きの秘密』/中野 雄 文春新書 平成14年10月初版

『ウィーン・フィルハーモニー −その栄光と激動の日々』/野村 三郎 2002年11月 初版

『ウィーンフィル&ベルリンフィル』/浅里 公三他 音楽之友社 1996年10月 初版

『栄光のウィーン・フィル』/オットー・シュトラッサー ユリア・セヴェラン訳 音楽之友社 1977年 初版

ウィーン国立歌劇場1989年日本公演プログラム/財団法人 日本舞台芸術振興会

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 2006年 日本公演 プログラム

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の項/『無料百科事典 ウィキペディア』(http://ja.wikipedia.org/)

音分析ソフト RAE/リアルタイム・アナライザ/吉正電子株式会社

『イタリア・オペラ史』 水谷 彰良/音楽之友社 2006年7月 初版


●リンク

Wiener Philharmoniker:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の公式サイト

Wiener Staatsoper:ウィーン国立歌劇場の公式サイト

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